本記事では、電圧波形を観察できるディジタルオシロスコープについてまとめます。
アナログオシロスコープと比較した利点・欠点
ディジタルオシロスコープの利点
ディジタルオシロスコープには、単発現象の測定が容易という利点がある。
これは観測波形を常時、メモリに蓄えているためである。
一方アナログオシロスコープは、周期的に繰り返される波形しか測定できない。
ディジタルオシロスコープの欠点
ディジタルオシロスコープで高速の波形観察を行う際には、次の点に留意する必要がある。
- A/D変換の速度による制限
- エイリアシング
サンプリング周波数が不足すると、元の波形とは異なる波形が観測されてしまう現象をエイリアシングという。
エイリアシングを防ぐには、観察対象の波形の周波数が、サンプリング周波数の1/2より低い必要がある。(サンプリング定理)
サンプリングオシロスコープ
ディジタルオシロスコープを、A/D変換時のサンプリング方式により分類すると、次の方式がある。
- リアルタイムサンプリング
- 等価時間サンプリング
このうち、サンプリングオシロスコープは「等価時間サンプリング方式」を採用しており、繰り返し波形の観察に使用される。
サンプルホールドするタイミングをトリガ時刻から徐々にずらして測定する。
利点として、増幅・A/D変換回路の速度が多少遅くても、高速な繰り返し波形の観察が可能である点が挙げられる。
コメント