黒体と黒体放射
当たった光をすべて吸収する物質を黒体という。
黒体に近い物質の例として木炭などがある(木炭は光の96%を吸収)。
黒体が吸収した光のエネルギーは内部で熱となり、電磁波放射として外部に放散する(黒体放射)。
分光分布
日常生活における光(太陽光や白熱電球の光など)は通常、連続したスペクトルをもつ白色光であり、細かく分割すれば単色光の集まりと見なせる。
ある波長を中心として、微小波長幅内に含まれる放射量を、微小波長幅で割った値を分光密度と呼ぶ。
この分光密度を波長の関数として表したものを分光分布と呼ぶ。
色温度と相関色温度
理想的な黒体の場合、その絶対温度と黒体放射の分光分布が1対1に対応するので、変数は絶対温度のみとなる。
色温度
ある放射の色度が黒体放射の色度と一致するとき、その放射の色度を黒体の温度で表した値を色温度という。
単位は[K]を使用する。
相関色温度
ある放射の色度が黒体放射の色度と一致しないとき、その放射に色度が最も近い黒体の温度の値を相関色温度という。
単位は[K]を使用する。
光源色と相関色温度との関係を次表に示す。
光源色 | 相関色温度[K] (概数) |
電球色 | 2800 |
温白色 | 3500 |
白色 | 4200 |
昼白色 | 5000 |
昼光色 | 6500 |
実際の温度との関連
色温度および相関色温度は、必ずしもその光源の絶対温度と一致するわけではない。
たとえば相関色温度が5000Kのランプは、実際は5000Kほど熱いのではなく、5000Kに熱せられた黒体と最も色が近い光を放射することを意味する。
参考文献
毛馬内洋典「工学教科書エネルギー管理士電気分野出るとこだけ!」翔泳社(2015)
p165:黒体
大田登「色彩工学」東京電機大学出版局(2001)
pp25-26:分光分布
pp81-82:色温度と相関色温度
照明学会「照明工学」オーム社(2012)
p34:光源色の区分
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