演色性とは
演色性は物体の色の見え方を決める性質であり、平均演色評価数(Ra)などで表される。
物体の色の見え方が異なる要因には次の2つがある。
- 光源の分光分布の変化により、物体からの反射光の分光組成が変わるため異なる色に感じる
→色の見え方がずれる方向へ働く - 照明光や周囲の色度に目が慣れて、その光色が白色に見えるように目の感度が変わる
→色の見え方が戻る方向へ働く
これらが互いに打ち消しあえない分が演色性の相違として感知される。
一般に、同じ種類のランプであればランプ効率が高いほど演色性が悪くなる。
身近な例
トンネルや道路で、オレンジ色のランプ(ナトリウムランプ)を見る機会がある。
このナトリウムランプで照らされた物体の色は、不自然な色に見える。つまり演色性が悪い。
最近の交通量の多い道路では、車線や交通標識の色の見やすさが事故防止つながる観点から、高いランプ効率と長寿命(交換頻度が少ない)に加え、演色性も重要になってきている。
そこで、高効率形メタルハライドランプやLED照明が使われるようになってきている。
平均演色評価数(Ra)
平均演色評価数(Ra)は100に近いほど演色性がよく、自然光が当たったときと同じ色に見える。
光色が異なりRaが等しければ、照射された物体の色のずれの大きさが同程度となる。
注:物体が同じ色に見えるわけではない。
Raの数値の例
- 一般形の高圧ナトリウムランプは25程度
- 最近のLED照明では90以上のものもある
参考文献
照明学会「照明工学」オーム社(2012) p13
中島龍興, 福多佳子「図解入門よくわかる最新LED照明の基本と仕組み」秀和システム(2011) p66
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