電気化学

ファラデー定数

※以下、数値は概算値とし「約」を省略して記載する

アボガドロ定数とファラデー定数

アボガドロ定数

微小な物質の個数を表す場合、まとまった量として扱うと便利である。

このためアボガドロ定数(6.02×1023)個の集まりを1molと表す。(物質量という)

原子1molの質量は、原子の重さを表す原子量に[g]を付けた量となる。

ファラデー定数

電子1個あたりの電荷の大きさは1.602×10-19Cである。

電子1個あたりの電荷の大きさとアボガドロ定数との積、すなわち電子1molの電気量の大きさは、

(6.02×1023mol-1)×(1.602×10-19C)=96,500 C/mol

となる。

この96,500 C/mol が電気分解におけるファラデーの法則の定数(ファラデー定数)である。

参考文献

深澤一幸「電験三種なるほど機械」オーム社(2019) p325

電流と電荷の関係

電流1Aのとき、1秒あたり1Cの電荷が移動する。

各単位には次の関係がある。

[A]=[C/sec]

電気分解の析出量の計算

例として、アルミナ Al2O3 を3kAで15時間 電気分解してアルミニウムを作ることを考える。

アルミナからアルミニウムを得るには、融解塩電解を用いる。

融解したアルミナの中には、Al3+とO2- が存在する。

陰極では、Al3+が電子を受け取る反応が起きる。(過去のエネルギー管理士試験問題では「3電子反応」と表記)

Al3++3e→Al

電荷量は3kA*15h*3600=162000kC

これを電子1molあたりの電荷96500Cで割ると、電子の量は1679molと求まる。

Alは1679/3=560mol析出するから、Alの原子量27を利用し質量[kg]に換算すると、15.1kgとなる。

注:分子式のO原子の個数を見て、Al2O3は電子3molでAl 2molが析出すると考えるのは誤り。アルミニウムAlの反応式を考える。

参考文献

TryIT「5分でわかる!アルミニウムの精錬」https://www.try-it.jp/chapters-9578/sections-9652/lessons-9669/ 閲覧日2023/12/28

「エネルギー管理士」カテゴリ 共通文献

オーム社編『2023年版エネルギー管理士(電気分野)過去問題集』オーム社(2022)

プロフィール

大学で電気工学を専攻し、現在は電気関係の業務に従事。
第一種電気主任技術者試験(電験一種)合格。

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