電力系統の保護リレー

メインリレーとFDリレー

保護リレーの誤動作による停電を回避するため、ひとつの要素ではトリップに至らないような構成となっている。

メイン-FD方式

主検出(メイン)用CPUの他に事故検出(FD)用CPUを設け、AND条件でトリップさせることにより、いずれかのCPUに不良があっても誤動作しないようにしている。

これは通称、メイン-FD方式と呼ばれる。

この方式は「誤動作」対策としては有効だが、「誤不動作」のリスクを高めるおそれがある。

なお、「メインとFD」は「主保護と後備保護」とは全く別物である。

FDリレー

FDは、Fault Detect (=事故検出) の略。

一般に、事故弁別性や選択性などを妥協してコストを抑えつつ、メインリレーの弱点を補うことのできる方式を採用する。

例:

メイン要素が地絡方向リレー(67G)の場合、CT入力回路の1相のみ異常などで誤動作するおそれがある。

このため、FD要素として地絡過電圧リレー(64F)を使用する。

文献

安田忠彰『やさしく学ぶ電力系統の保護リレー』※オーム社『OHM』連載 2021年8月号

大浦好文『保護リレーシステム工学』電気学会(2002)

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