本記事では「光度」と「照度」についてまとめる。
紛らわしいが、混同しないように覚えたい。
光度は単位立体角あたりの光束
まずは、光度を理解するうえで欠かせない「立体角」について。
立体角は三次元の角度
普段よく使う「45度」や「90度」などの角度は、平面(二次元)を前提としている。
角度は、平面的な広がりを表す。
では、空間的な広がりは何で表せばいいのだろうか?
ここで、立体角が登場する。
平面(二次元)における角度を、立体(三次元)に拡張した概念を、立体角という。
つまり、立体角は三次元における角度である。
平面の角度が360度まであるのに対して、立体角は4π[sr]まである。
[sr](ステラジアン)は立体角の単位である。
光度は単位立体角あたりの光束
立体角の説明を踏まえて、「光度」について説明する。
ある方向への単位立体角あたりの光束を光度という。
記号はI、単位は[cd](カンデラ)を使用する。
光度を「空間的な明るさ」と考えると分かりやすい。この表現は厳密ではないかもしれないが、イメージとしては近いものだと思う。
光度は、点光源の明るさの指標として用いられる。
照度は単位面積当たりの光束
次は照度について。
単位面積あたりに入射する光束を照度という。
光度が単位立体角あたりの光束で、照度は単位面積あたりの光束である。
記号はE、単位は[lx](ルクス)を使用する。
光度を「空間的な明るさ」と考えれば、照度は「平面的な明るさ」でイメージすることができる。
紙に光があたっているときに、その平面がどれだけ明るいか、というイメージだ。
ところで、労働安全衛生法では、職場の作業環境の照度を一定値以上確保することが決められている。
照度不足の際に生じる眼精疲労や、文字を読むために不適切な姿勢を続けることによる健康障害を防止するためだ。
このため、職場で作業環境の照度測定をする機会もある。
そのときに使用される照度計の単位をみてみると、[lx](ルクス)が表示されている。
おまけ:光度と照度は英語にすると?
光度と照度をそれぞれ英語で表記すると、光度は「luminance」、照度は「illuminance」だ。
英単語も似ていて紛らわしい・・・
まとめ
本記事では「光度」と「照度」についてまとめた。
最後に、光度と照度の比較を表にまとめる。
光度 | 照度 | |
説明 | 単位立体角あたりの光束 | 単位面積あたりの光束 |
記号 | I | E |
単位 | [cd] カンデラ | [lx] ルクス |
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