電源タップなどに「合計1500Wまで」などと書かれているのを見たことがないでしょうか。
この「1500W(ワット)」は電力のことなのですが、電流や電圧との間にはどのような関係があるのでしょうか。
本記事では、混乱しがちなワット(W)とアンペア(A)、ボルト(V)の違いをまとめます。
ぜひ気軽に読んでみてください。
電力とは
電力は、電流と電圧を掛け算した値です。※1
式で表すと次のようになります。
P=V×I
ここで、Pは電力、Vは電圧、Iは電流です。
それぞれの単位は、W(ワット)、V(ボルト)、A(アンペア)です。
表にまとめると、次のようになります。
電力P | 電圧V | 電流I | |
単位の記号 | W | V | A |
単位の読み | ワット | ボルト | アンペア |
少しややこしいのですが、「電圧」を表す記号Vと、その単位「ボルト」の記号Vが同じであることに注意が必要です。
※1 厳密には「力率」という値も関係しますが、ここでは無視しています。
コンセントの電圧は100V
電力と電圧、電流の関係が分かったところで、冒頭の「1500Wまで」というのは、電流だと何アンペアになるのか考えてみましょう。
なお、ここでは一般的なコンセントで使用する家電製品で考えることとします。
電力が1500Wですから、コンセントの電圧がわかれば、電流がわかることになります。
一般的な家電製品は、100Vで正常に動作します。
もしもコンセントの電圧が大きく変動してしまうと、家電製品の故障や正常に動作しない原因になりますから、コンセントの電圧は100V一定となるように法律で決められています。
※厳密には、常にぴったり100Vではなく、101±6Vの範囲に収まるように決められています。
電圧が100Vであることを考えると、電力1500Wを使うことは、電流を15A流すことを意味します。
(1500W=100V×15A)
すなわち、100Vコンセントで使用される家電製品を考える場合、電力を100で割った値(電力÷100)が電流の値となります。
スマホの充電器に表示された電圧の意味
ところで、スマホの充電器を見ると、「5V 2A」などと書かれてます。(電圧が5ボルト 電流が2アンペア であることを意味します。)
電圧が100Vではなく、5Vとなっていますね。
実は、スマホの充電器においては、コンセントの電圧(100V)を、5Vなど低い電圧に下げたうえで充電しています。
「5V 2A」と書かれていた場合、コンセント側ではなく、充電端子(USBタイプCなど)の電圧、電流を意味しています。
電力は、これらを掛け算し、5V×2A=10Wということになります。
「10Wの充電器」などと聞いたことがあるかもしれませんが、このような意味になります。
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