コンセントは穴が二つあるけど、どっちからどっちに電気が流れているの?と疑問に思ったことはないでしょうか。
交流には向きがない、と言われることもありますが、ある瞬間で考えると、大きさと向きがあります。
本記事では、イメージしにくい「交流」の電気についてまとめます。
交流は、「大きさ」と「向き」の両方が変化する
コンセントは100Vの交流と聞いたことがあるかもしれません。
そして交流といえば、上向きの山と下向きの山が描かれた図をイメージされる方も多いと思います。
交流は、時間によって電流の向きと大きさの両方が変化します。
家電の電源コードに流れる電流を考える
たとえば、家電製品の電源コードで考えてみましょう。
電源コードは1本に見えるものもありますが、中には2本の電線が入っています。
1本に見えるのは、外側を覆うことにより中の電線に傷がつかないように補強するといった目的があります。実際は2本の電線が束ねられるような形になっています。
コンセントの穴は2つありますので、そのひとつずつに電線が各1本ずつ、接続されているイメージです。
このうちの1本に注目してみましょう。
いまこの瞬間、ある方向に電流が流れているとします。
時間が経つとその電流はだんだんと増え、やがて一番大きな電流になります。
すると今度は、だんだんと減っていきます。ここでは電流の向きは変わらず、大きさだけが変化して小さくなっていきます。
どんどん小さくなり、やがてゼロになります。ゼロになった後はどうなるでしょうか。
電流がゼロになるというのは、その瞬間は電流が流れていないことを意味します。
不思議に感じますが、交流では電流がゼロになる瞬間があるのです。
ゼロになったあとは、さっきとは反対の向きに流れ始め、だんだんと大きくなっていきます。
そして、反対向きに一番大きくなったあとは、だんだんと小さくなり、再びゼロに戻ります。
このサイクルを繰り返します。
周波数
このように、最初にゼロから出発して、だんだんと電流が増えていき、減ってゼロになる。次に、反対方向に増えていき、再び減ってゼロになる。
この一連の変化にかかる時間を、周期といいます。
ところで、「周波数」とか「ヘルツ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
東日本は50Hz(ヘルツ)、西日本は60Hz(ヘルツ)と言われているアレです。
この周波数というのは、「最初にゼロから出発して、だんだんと電流が増えていき、減ってゼロになる。次に、反対方向に増えていき、再び減ってゼロになる。」という「周期」が1秒間に何回繰り返されるか、ということを意味します。
たとえば東日本であれば、1秒間に50回、繰り返されているのです。
「意外と速い」と感じないでしょうか。
周波数と発電所
この周波数は、火力発電所の発電機が回転する速度に密接に関係しています。
火力発電所では、燃料を燃やしてできた蒸気などにより発電機を回して電気をつくります。
その回転のために、できあがる電気も交流となるのです。
そして、送電線や変電所などを経て、コンセントに届けらます。
そして、この発電機の回転が、電流の大きさと向きが周期的に変化する、という性質を生み出しているのです。
発電機は磁石が回っているようなものですから、磁石の位置によって、磁力の強さと向きが変化します。
それが、電流の大きさと向きの変化に密接に関わっているのです。
そう考えると、発電所がちょっとだけ身近に感じられないでしょうか?
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