ターボ冷凍機について、基本的な事項も含めてまとめる。
「冷凍機」とは
「冷凍庫」のイメージから、「冷凍」と聞くと「凍らせる」ことを想像しがちである。
しかし、冷凍機においては必ずしも凍らせることを意味するのではない。
一般社団法人 日本冷凍空調工業会 ターボ冷凍機技術専門委員会「ターボ冷凍機ハンドブック2013」によると、「冷凍」の定義として
「物体を常温(大気温度)以下に連続して冷却する技術」
と記載されている(太字装飾は筆者)。
つまり、「冷凍」には、食品などを凍らせるだけでなく、冷房で空気を冷やすことも含まれる。
また、同ハンドブックによると、「冷凍」を機械的手段により行う装置を「冷凍機」と呼ぶ。
冷凍機における「ターボ」とは
冷凍機の意味は上述のとおりである。
それでは、ターボ冷凍機の「ターボ」とは、何を意味するか。
「ターボ」と聞くと、自動車のターボチャージャーが思い浮かぶ。排気ガスの流れを利用して空気を圧縮し、エンジンに送り込む装置である。
一方、冷凍機のターボには、冷凍サイクルにおける重要な構成要素である「圧縮機」が関係している。
圧縮機
圧縮機は、動力(通常はモータ)を使って冷媒蒸気を圧縮し、冷凍サイクルの中で循環させる役割をもつ。
圧縮機を圧縮方式で分類すると、
- 容積式
- 遠心式(ターボ式)
に大きく分けられる。
容積式
吸い込んだ冷媒蒸気を、一定の空間に閉じ込め、その空間の容積を減少させることで圧縮する方式を容積式という。
遠心式(ターボ式)
吸い込まれた冷媒蒸気を高速回転する羽根車で加速することで圧縮する方式を、遠心式またはターボ式という。
「ターボ」は圧縮方式に由来
上記のとおり、圧縮機にターボを用いる冷凍機を、ターボ冷凍機という。
ターボ冷凍機の特徴
ターボ冷凍機には次の特徴がある。
- 大容量に適する
- 高圧力比には不向き
文献
高石吉登「図解入門よくわかる最新冷凍空調の基本と仕組み[第2版]」株式会社秀和システム(2019)
pp156-157「6-1 圧縮機-冷凍装置の心臓」
一般社団法人 日本冷凍空調工業会 ターボ冷凍機技術専門委員会「ターボ冷凍機ハンドブック2013」
pp1-2「1章 ターボ冷凍機の基礎」
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