冷媒とは
冷凍装置内で、「液⇔蒸気」の状態変化を繰り返し熱媒体となる物質を冷媒という。
参考に、家庭にあるエアコンの冷媒を確認すると、「R32」と記載されていた。R32はオゾン層を破壊せず、さらに従来の冷媒と比較すると地球温暖化係数も小さいという特徴をもつ。
冷房・冷凍の原理と蒸発温度
- 冷媒液が周囲から熱を吸収する(蒸発熱を得る)
- 液から蒸気に変化
- 周囲の空気や物体は熱を奪われ温度が下がる・・・冷房、冷凍
冷媒液の圧力を低く保つことによって、低い温度でも冷媒液が蒸発しやすくなる。
(参考:標高の高い山で水を沸かすと、100度よりも低い温度で蒸発することを考えると分かりやすい。)
冷媒液が蒸発しているときの冷媒自体の温度を蒸発温度という。
暖房の原理と凝縮温度
- 冷媒蒸気が周囲に熱を放出(凝縮熱を捨てる)
- 蒸気から液に変化
- 周囲の空気や物体に熱が加わり温度が上がる・・・暖房
冷媒蒸気の圧力を高く保つことによって、常温の水や空気で冷やしても液化できる。
冷媒蒸気が液化しているときの冷媒自体の温度を凝縮温度という。
蒸発・凝縮温度による成績係数の向上策
冷房と暖房でそれぞれ次のように運転すると成績係数を向上させることができる。
- 冷房では、蒸発温度を上げる:冷水・冷風温度を上げる
- 暖房では、凝縮温度を下げる:温水・温風温度を下げる
文献
オーム社 編「ゼロからはじめる 3種冷凍試験(改訂3版)」オーム社(2023)
p24,48:冷媒および冷暖房の原理
柴政則「超入門第2種冷凍機械責任者試験精選問題集」オーム社(2021)
p171:蒸発温度
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